What's up, everyone!
So-Calのカルチャーがたまらなく好きなみなさん、こんにちは。おっと、So-Calというワードの語源については第1回目のコラムを参照あれ。
さて、ロサンゼルスをはじめ南カリフォルニアの風景をイメージすると、真っ先に思い浮かべるモチーフのひとつはパームツリーのはず。サーファーたちが集うビーチ、ひたすら疾走するフリーウェイ、買い物に立ち寄ったスーパーマーケットのパーキング、口いっぱいにハンバーガーを頬張っているときも、いつだってその視界にはパームツリーが入ってくる。
青い空へ向かって空高く伸びるパームツリーが乾いた風に揺れ、夕方になれば橙色のグラデーションの空に沈む太陽とパームツリーのシルエットが立ち並ぶ。そんな夢のような光景がSo-Calの日常なのだから、たまらないね。
パームツリーが南カリフォルニアの風景の象徴であることは、世界中の観光客だけでなく、地元の人たちにとっても同じ。ロードサイドの看板、Tシャツ、ポストカードといった日用品からお土産まで、あらゆるところで目にする。パームツリーは彼らが愛してやまない自慢なのだ。
ちなみにSo-Calに生息するパームツリーの大半が“ワシントンヤシ”とよばれる品種。カリフォルニアの象徴なのにワシントンなのはなぜ? と思うだろう。これはアメリカの初代大統領ジョージ・ワシントン氏が名前の由来なんだそう。ワシントンヤシにも種類があって、細い幹でスーっと背が高いのがロブスタ、幹が太めなのがフィリフェラだ。
そして衝撃の事実をお伝えしたい。So-Calのあちらこちらに生えているパームツリーのルーツは、最初から自生していたわけでなく、実は別の場所から持ってきたものだということ。1932年のロサンゼルス・オリンピック開催に備え、メキシコから持ってきた25000~40000万本ものパームツリーが植えられたと言われている。
もともとは乾燥した砂漠地帯に植える街路樹としてパームツリーが選ばれた理由は、「カッコいいから!」ではなくて、丈夫で安いから。そして他の植物に比べて路上駐車や歩道の邪魔をしないという理由であった。また、大恐慌下で労働者に雇用を生む役割を果たしたそうだ。
パームツリーが高くそびえる地域は、古い街と言われる。そんな、すっかりSo-Calの象徴となったパームツリーも、植えられてから100年近くが経過し、困った問題が発生している。それは寿命や病気によって枯れる運命にあり、危険な状態にある木が多いこと。So-Calのカルチャーが好きな人なら、パームツリーが永遠の象徴であって欲しいと願ってしまうものだ。
日本でもパームツリーを見ると、ふと気分がSo-Calへとトリップしてしまう。アルパインスタイルの多くのお店では、So-Calのカルチャーを身近に感じられるようにパームツリーが植えられている。ぜひ遊びに来て欲しいな。
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illust: © Hirockshow